格安SIMでテザリングを使うとき、まず気になるのが「追加料金が発生しないか」「昼間でも速度が出るか」の2点だと思います。公式サイトには「テザリング無料」と書かれていても、実際に使ってみないとわからないことが多いのが現実です。
この記事では、楽天モバイル・LINEMO・mineo・povo・U-NEXTモバイルの5回線を実際に契約した状態で、MacBookやタブレット(iPadやFire HD) をテザリング接続し、昼間(12〜13時)の混雑帯と夜間(20〜21時)の速度をスピードテストで実測しました。YouTube再生・AIチャット・ブラウジングの体感評価も加えています。
記事では以下の内容を順番に解説しています。
- 5社のテザリング料金・データ上限・申し込み条件の比較
- 昼夜別・5回線の実測速度と用途別の体感評価
- 無制限・使い放題で使える格安SIMの実態と注意点
- テザリングできないときの原因と対処法
- iPhoneで格安SIMのテザリングを使う際の設定と注意点
- ドコモ回線MVNOのテザリング速度特性
- 用途別おすすめの格安SIM
シムセツ「毎日PCをテザリングしたい」「週に数回だけ使いたい」「昼間の速度が安定してほしい」など、使い方によって最適な格安SIMは異なります。自分の使い方に合った1社を見つける参考にしてください。
格安SIMのテザリングは追加料金なしで使えるのかを確認する


格安SIMでテザリングを使うにあたって、まず気になるのが「追加料金が発生しないか」という点です。
今回実測した5回線(楽天モバイル・LINEMO・mineo・povo・U-NEXTモバイル)は、いずれも追加料金なし・申し込み不要でテザリングを利用できます。



ただし、使えるデータ量や速度制限のかかり方は各社で異なります。テザリングをメインで使う予定がある方は、この違いを把握しておかないと、PC作業の途中で通信がほぼ止まるような状況になりかねません。
以下の表に、5社のテザリング条件を整理しました。
| 回線 | 追加料金 | 申し込み | テザリング上限 | 制限後速度 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天モバイル | なし | 不要 | 上限なし(スマホ利用量と合算・最大3,278円) | ─ |
| LINEMO | なし | 不要 | ベストプラン:10GB以内 ベストプランV:30GB以内 |
ベストプラン:10GB超→300kbps/15GB超→128kbps ベストプランV:30GB超→1Mbps/45GB超→128kbps |
| mineo | なし | 不要 | プランのデータ残量内 | プランにより異なる |
| povo | なし | 不要 | トッピング容量内 (上限設定なし) |
128kbps(容量消費後) |
| U-NEXTモバイル | なし | 設定・手続き不要 | 20GB以内 (余った分は永久繰り越し・最大100GB) |
─ |
5社のなかで唯一、テザリングを含むデータ使用量に上限がありません。スマホの通常利用分と合算されて、どれだけ使っても月額3,278円で収まります。MacBookやタブレットへの接続を毎日行うような使い方でも、追加料金を心配せずに使えます。
ソフトバンク回線をそのまま使うため、昼間12〜13時の混雑帯でも速度が安定しやすい傾向があります。テザリングは申し込み不要・無料ですが、月間データ容量を使い切ると速度制限が入ります。ベストプランV(30GB)なら制限後も1Mbpsが維持されるため、軽作業や動画の標準画質であれば継続して利用できます。テザリング接続中の端末からLINEを使う場合もギガフリーが適用される点も、実用上のメリットです。
ドコモ・au・ソフトバンクの3回線から選べるMVNOで、申し込み不要・追加料金なしでテザリングを利用できます(公式サポートページに明記)。マイそくプランを契約している場合、「24時間データ使い放題」オプション(198円/回)を使えば、昼間の速度制限を含むすべての制限を24時間解除してテザリングできます。必要な日だけスポットで購入できる仕組みで、povoの同種オプション(330円)より安い点が特徴です。
povoはau回線のトッピング方式。テザリング自体は追加料金なし・事前登録不要で利用できます。「データ使い放題24時間」は330円で購入でき、テザリングも対象です。データトッピングを消費しきった後は128kbpsに低下します。必要な日だけデータを確保するサブ回線的な運用に向いています。
ドコモ回線を使うMVNOで、申し込みやオプション料金不要でテザリングを利用できます。月20GBの基本容量に加え、余ったデータは永久繰り越し(最大100GB)できるため、テザリングを週に数回程度使う方であれば、データ残量に余裕を持って管理できます。
格安SIMテザリングの実測速度比較【5回線・昼夜・場所別】


テザリングの実用性は、カタログスペックよりも「実際にどのくらいの速度が出るか」で決まります。
ここでは、楽天モバイル・LINEMO・mineo・povo・U-NEXTモバイルの5回線を対象に、MacBook NEOとiPad A16をテザリング接続した状態で速度を実測しました。
- 測定場所:神奈川県小田原市近郊(屋内)
- 測定日時:土曜日の昼(12:00〜13:00)・夜(20:00〜21:00)
- 親機:各SIM搭載スマートフォン
- 子機:MacBook NEO・iPad A16(Wi-Fiテザリング接続)
- 測定ツール:fast.com(各時間帯3回計測・中央値を採用)
| 回線 | 昼(12〜13時) | 夜(20〜21時) | Ping ms 昼 / 夜 |
||
|---|---|---|---|---|---|
| 下り(Mbps) | 上り(Mbps) | 下り(Mbps) | 上り(Mbps) | ||
| 楽天モバイル | 42 | 19 | 41 | 46 | 86 / 91 |
| LINEMO | 43 | 27 | 25 | 31 | 65 / 9 |
| mineo(Aプラン) | 46 | 22 | 35 | 5 | 49 / 54 |
| povo | 44 | 47 | 37 | 8 | 91 / 93 |
| U-NEXTモバイル | 8 | 3 | 28 | 7 | 63 / 54 |


昼間の測定では、MNO直系の3回線(楽天モバイル・LINEMO・povo)が40Mbps台を確保しました。MVNOのmineoはau回線を使い下り46Mbpsと数値は最速でしたが、ページ表示にやや時間がかかる体感でした。
U-NEXTモバイルは下り8Mbpsと他の5分の1以下の数値で、ドコモ回線MVNOの昼間混雑の影響が顕著に出ました。YouTubeの自動画質もMNO3社が1080pを維持したのに対し、mineo・U-NEXTモバイルは720pに落ちています。


夜間は全5回線が実用的な速度帯に入りました。特に注目したいのはLINEMOで、下り25Mbpsと速度自体は落ちながらも夜間のPingが9msと群を抜いて低い値を記録しました。



Pingの低さは応答速度に直結するため、AIチャットのテキストストリームやビデオ会議の遅延感が5社中最も少ない結果になっています。
U-NEXTモバイルは昼間8Mbpsから夜間28Mbpsと約3.5倍に改善しました。夜間であれば一般的な作業に対応できますが、平日昼間の業務利用には適しません。
| 回線 | YouTube 昼・自動画質 |
4K切替 夜・手動 |
ブラウジング ・AIチャット |
特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天モバイル | 1080p | 約5秒 | 良好 | 夜の上り46Mbpsが最速。クラウド同期・ファイル送信に強い |
| LINEMO | 1080p | 約5秒 | 非常にスムーズ | 夜Ping 9msが最小。ビデオ会議の遅延が5社中最も少ない |
| mineo(Aプラン) | 720p | 約8秒 | そこそこ良い | 昼の下り46Mbpsは最速だが体感はやや重め。夜の上りが5Mbpsに低下 |
| povo | 1080p | 約10秒 | そこそこ良い | 昼の上り47Mbpsが最速。夜はやや不安定な場面あり |
| U-NEXTモバイル | 720p | 約15秒 | 普通(夜は改善) | 昼8→夜28Mbpsと約3.5倍に改善。昼間の業務利用は避けたい |
実測の結果、U-NEXTモバイルは昼間DL 8Mbpsから夜間28Mbpsと約3.5倍の差が生じました。夜間・週末のライトな用途であれば実用的ですが、平日昼間にZoomやGoogle Meetを使うリモートワーク用途には適しません。



昼間の業務利用が前提なら、MNO直系のLINEMOや楽天モバイルと組み合わせるデュアルSIM運用のほうが現実的です。
テザリングを無制限・使い放題で使える格安SIMの実態評価


ただし、格安SIMの「無制限」は各社で意味が異なります。月額固定で本当に上限なく使えるのか、それとも追加購入が必要なのかを整理します。
| 月の利用日数 | 楽天モバイル 月額3,278円(固定) |
povo 330円×日数 |
|---|---|---|
| 1日 | 3,278円 | 最安 330円 |
| 7日(週2回ペース) | 3,278円 | 最安 2,310円 |
| 10日 ← 分岐点 | 3,278円 | 3,300円 |
| 14日(隔日ペース) | 最安 3,278円 | 4,620円 |
| 30日(毎日) | 最安 3,278円 | 9,900円 |
※月10日を境に楽天モバイルとpovoのコストが逆転します。
月間の利用日数でシミュレーションすると、月9日以内のスポット利用はpovo、月10日以上テザリングするなら楽天モバイルが最もコスパが高い結果になりました。



毎日使うが速度はそこそこでいいという方には、990円の月額プランで1.5Mbpsのテザリングが毎日使えるmineo マイそく スタンダードも選択肢になります。
どれだけ使っても月額最大3,278円で固定
必要な日だけアプリから即購入可能
昼間の速度制限も含め24時間全解除





私は2020年から楽天モバイルはメインとして使っており、引っ越し直後の光回線開通までの期間はスマホのテザリングオンリーで過ごしたこともあるほど、ギガの消費を気にしない安心感が随一のモバイル回線です。
もちろん光回線と比べると、ページの読み込みや操作時のレスポンスに一呼吸置いた感じはあります。ただ、旅行先や出張先でもパソコンやタブレットを気軽にテザリング接続できて、料金はどれだけ使っても上限3,278円。この安心感とコストパフォーマンスは、他社ではなかなか実現できません。→楽天モバイルのキャンペーンをチェック
LINEMO・U-NEXTモバイルはテザリングを「無制限」には使えない
LINEMOベストプランVは月30GBが上限、U-NEXTモバイルは月20GBが上限です。
PCをテザリングすると1日あたりの消費量が大きくなりやすく、動画視聴やZoomを頻繁に使うと上限に達することがあります。この2社は「テザリングが無制限かどうか」を基準に選ぶのには向いていません。
使い方別の選び方をまとめると、次のようになります。
毎日PCをテザリングしてリモートワークや動画視聴をするなら、楽天モバイル一択です。週に2〜3日だけ外出先でPCを使うといった使い方であれば、必要な日にpovoの330円トッピングを入れるか、すでにmineo マイそくを契約しているなら198円オプションを活用するほうが月額コストを抑えられます。
格安SIMでテザリングできないときに確認すべき原因と対処法
格安SIMでテザリングができないときに考えられる原因は、ほぼ5つに絞られます。
「SIMを差し替えたらすぐ使えると思っていた」という状況のほとんどは、APN設定の未完了かSIMロックが原因です。順番に確認してください。
上記5つを順番に確認しても解決しない場合は、一度機内モードをオン・オフして接続をリセットするか、端末を再起動してから再度テザリングをオンにしてみてください。
それでも改善しない場合は、各社のサポートへの問い合わせが確実です。
iPhoneで格安SIMのテザリングを使う際の設定と注意点
iPhoneで格安SIMのテザリングを使う場合、Androidと異なる点がいくつかあります。設定手順自体はシンプルですが、格安SIM特有の注意点を把握しておかないと「つながらない」「速度が出ない」という状況になりやすいです。
基本の設定手順
- 「設定」アプリを開く
- 「インターネット共有」をタップ
- 「ほかの人の接続を許可」をオンにする
- 表示されたWi-Fiパスワードを接続する端末(PCなど)に入力して接続完了
※手順はiOS 18基準。バージョンにより表示が異なる場合があります。
格安SIMで起きやすいiPhone固有の問題
iPhoneは格安SIMを挿すと、多くの場合iOSが自動でAPN設定を行います。ただし、自動設定が適用されない格安SIMでは各社が提供する「プロファイル(構成ファイル)」を公式サイトからダウンロードしてインストールする必要があります。
プロファイルが正しくインストールされていないと、テザリングを含む通信全体が正常に動作しません。まず各社の公式サイトで「iPhoneのAPN設定」または「プロファイルのインストール」手順を確認してください。
iOSを常に最新版にアップデートしておくことで、プロファイルなしでも自動設定が適用されるケースが増えています。テザリングができない場合はまずiOSのアップデートを試してみてください。
デュアルSIM利用時の注意
iPhone 15以降はeSIM2枚によるデュアルSIMに対応しています。2回線を使い分けている場合、テザリングはどちらの回線を使うかを選択できます。
設定の「インターネット共有」に進む前に、「モバイル通信」の設定でテザリングに使いたい回線がデータ通信に設定されているか確認してください。誤った回線でテザリングをオンにすると、想定していないSIMのデータを消費することになります。
LINEMOをiPhoneで使う場合の追加注意点
LINEMOをiPhoneで使う場合、iOS 15以降でiCloud+のプライベートリレーをオンにした状態でSafariを使うと、LINEギガフリーの対象外になりデータを消費する場合があります(LINEMO公式ガイド記載)。
プライベートリレーをオフにすることで通常通りギガフリーが適用されます。
ドコモ回線の格安SIMでテザリングしたときの速度と実測結果


今回テストした5回線のうち、ドコモ回線を使うMVNOはU-NEXTモバイルのみです。
楽天モバイル・LINEMO・povoは自社または大手キャリアの回線をそのまま使うため、以下ではドコモ回線MVNOに絞って速度の傾向と実測結果を整理します。
MVNOのドコモ回線が昼間遅くなりやすい理由
格安SIM(MVNO)はNTTドコモのネットワークを借りてサービスを提供しています。電波のエリアや4G/5Gの対応範囲はドコモ本体と同等ですが、MVNOとドコモのネットワーク接続点(相互接続点)には帯域の上限があります。
この接続点が昼間12〜13時などの混雑時間帯に飽和すると、エリア内であっても速度が大幅に低下します。テザリングはスマホ単体よりもデータ消費量が多いため、混雑帯の影響をより強く受けます。夜間や早朝は混雑が緩和されるため、同じ場所でも時間帯によって速度が大きく変わります。
U-NEXTモバイルの特性


U-NEXTモバイルはU-NEXTグループが保有する法人向けモバイル帯域と共有する形で帯域確保を図っています。サービス開始が2025年11月と新しいため、実際の混雑帯での速度については実測で確認が必要です。
実測結果
| 回線 | 昼・下り (Mbps) |
夜・下り (Mbps) |
昼夜差の体感コメント |
|---|---|---|---|
| U-NEXTモバイル ドコモ回線 |
8 | 28 | 昼は体感的に遅さを感じる。夜は約3.5倍に改善し一般用途は問題なし |
実測の結果、U-NEXTモバイルは昼間の下り8Mbpsから夜間28Mbpsと約3.5倍の差が生じました。夜間であれば実用的な速度になりますが、平日昼間の業務利用には適しません。
昼間の業務利用が前提なら、MNO直系のLINEMOや楽天モバイルと組み合わせるデュアルSIM運用のほうが現実的です。
テザリング目的で格安SIMを選ぶおすすめを用途・条件別に整理
ここまでの実測結果と各社の仕様を踏まえて、テザリングの使い方別に最適な格安SIMをまとめます。「とりあえずおすすめを教えてほしい」という方は、自分の使い方に近いケースを確認してください。
テザリングのために格安SIMを選ぶ際に最も重要な判断軸は「どのくらいの頻度で使うか」です。



毎日使うなら楽天モバイル一択、週に数回のスポット利用ならpovo、毎日テザリングするが速度は1.5Mbps程度で十分という場合はmineo マイそく スタンダード、昼間の安定性を重視するならLINEMOという優先順位で考えると選びやすくなります。
どれだけ使っても月額最大3,278円で固定
必要な日だけアプリから即購入可能
昼間の速度制限も含め24時間全解除












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